< 来栖川電工有限会社 X68000事業部の製品展開 >
 当X68000事業部(通称ぺけろく事業部)では,SHARP社製X68000/X68030向け周
辺機器製品を設計,開発,製造,そして販売することを予定しております.

ここでは現在開発中の製品をご紹介します.

< JUPITER-EX >
● 本製品のご紹介
  本製品は,50MHz駆動(内部100MHz)のモトローラ社製マイクロプロセッサ
「MC68060」を採用した,X68000シリーズ(*1)向けのハードウェアアクセラレー
タボードです.

        *1対応機種:X68000 ACE, EXPERT, EXPERT2, SUPER, XVI

  現在市場で販売が開始されているまきお氏設計・製造の「040Excel」をベース
に,来栖川電工で開発したMC68060/PCIバスブリッジを追加した製品です.

  JUPITERという名称から,試作レベルで国内で配布された森野氏作のJUPITER製
品を想像される方もいらっしゃるかと思いますが,まきお氏作の「040Excel」は
JUPITER製品の開発に携わったあるくんど氏の全面協力の元に完成した製品であ
り,その構成のほとんどが森野氏作のJUPITERと変わりません.

  その製品に,同人サークルのまさちく工房に所属するまさちく氏作の
VENUS-X/060に採用されるMC68060/PCIバスブリッジを融合させた製品が,来栖川
電工謹製の「JUPITER-EX」になります.
  なお,まさちく氏は1999年11月に森野氏よりJUPITER-Xβ版を継続して
デバッグを行っており,来栖川電工において新鋭JUPITER-EXの開発サポートを継
続して行います.

  当初は040ExcelとそのPCI搭載版でJUPITER-Xと考えておりましたが,双方の特
徴を取り入れた製品に一本化することで開発に注力が出来るということになりま
して,ここにJUPITER-EXという製品の登場となりました.

● 主な機能仕様
・MC68060 50MHz駆動(内部100MHz)プロセッサ搭載
・168ピンDIMMスロット 1本搭載. 最大256Mバイトまで使用可能
  メモリ動作クロックはMC68060のバスクロックと同一です.
・50MHz or 33MHz/32Bit PCIバススロット3スロット搭載(スロット数は予定).
・PCIバスアービタ,クロック分配,プルアップなどはPCI-Rev2.2準拠.
・PCIバス製品のベンダIDコードは「0x6809」.来栖川電工社設計製品です.
・PCI割り込みを4系統実装.ベクタ割り込み機能を実現.

● 作業状況
  2000年7月3日現在,0x0EXCELの回路を基板製造用CAD上に移し,VENUS-X/060の
PCIバスブリッジを追加したところです.
  これから1週間をかけて回路チェックを行い,問題がなければ直ちに基板製造
工程に移行する予定です.
  
● 販売開始時期
  製品上問題されるであろう個所はX68000製品初のPCIバスブリッジ周辺ですが,
まさちく氏の本職のほうですでに動作実績の有る回路そのものであるため,デバッ
グに時間がかかることはないと見ています.またJUPITER機能部分も森野氏の
JUPITER,ならびにまきお氏のEXCELで現時点で動作しているものですので,こち
らもそれほど大きな工数とは考えておりません.
  これらのことから,9月中の発売開始を目標に鋭意設計中です.
  
< VENUS-X/060 >
● 本製品のご紹介
  本製品は,50MHz駆動(内部100MHz)のモトローラ社製マイクロプロセッサ
「MC68060」を採用した,X68030製品(X68030 Compactを除く)専用のハードウェ
アアクセラレータボードです.
  前記のJUPITER-EXはMC68000バスI/FにMC68060を搭載するアクセラレータです
が,こちらの製品はMC68030バスI/FにMC68060を搭載する製品です.

 本製品は同人サークルのまさちく工房さんが1998年秋から設計開発を行ってい
た製品であり,来栖川電工が引き続き開発の継続を行っております.
  
  当初は040ExcelとそのPCI搭載版でJUPITER-Xと考えておりましたが,双方の特
徴を取り入れた製品に一本化することで開発に注力が出来るということになりま
して,ここにJUPITER-EXという製品の登場となりました.

● 主な機能仕様
・MC68060 50MHz駆動(内部100MHz)プロセッサ搭載
・168ピンDIMMスロット 1本搭載. 最大256Mバイトまで使用可能
  メモリ動作クロックはMC68060のバスクロックと同一です.
・50MHz or 33MHz/32Bit PCIバススロット3スロット搭載(スロット数は予定).
・PCIバスアービタ,クロック分配,プルアップなどはPCI-Rev2.2準拠.
・PCIバス製品のベンダIDコードは「0x6809」.来栖川電工社設計製品です.
・4PCI割り込みを実装.ベクタ割りこみ機能を実現.
・16ビットタイマを2チャンネル実装.
・MC68450/HD63450レジスタ互換DMACを2チャンネル実装.
・2チャンネルの最大4メガビット毎秒非同期シリアルNS16550互換ユニットを搭載.

● 作業状況
  回路図設計やFPGA論理設計は終わっております.
  来栖川電工社内では,現在PCIバスブリッジを搭載したX68000用アクセラレー
タ「JUPITER-EX」の製品化を優先していますので,VENUS-X/060の開発は一時停
止しております.
  
● 販売開始時期
  MC68000プロセッサ対応のJUPITER-EXアクセラレータの販売から半年以内を目
標に本VENUS-X/060:X68030専用MC68060アクセラレータを発売する予定です.

< DSP搭載MP3サウンドカード >
● 本製品のご紹介

  拡張I/Oスロットに挿入する形のX68000用サウンドボードとしては「まーきゅ
りーゆにっと」が著名ですが,まーきゅりーゆにっとはMPUがPCMデータの書きこ
みを行うことで音源ユニットとして動作します.それに比べ本製品はまーきゅりー
ゆにっとでは必要なMPU機能に成り代わってオンボード上のDSPにより音源をエミュ
レートし出力をします.この処理には膨大な演算能力を必要とします.

  そのため,オンボードのDSPにはカーステレオの音場処理などで広く利用され
ている高性能な音場処理用デジタルシグナルプロセッサであるMOTOROLA社
MC56307を採用しています.

  本製品の主な目的は高性能なDSPエンジンを使用したMP3のリアルタイムデコー
ディングとPCM再生のサウンドボードであり,同じようにDSP搭載であった
AWESOME-Xのように「DSPが使えるだけ」の製品とは目的が違います.

  出荷時にはHuman68K向けのDSP56300ファミリアセンブラ,リンカとHuman68K上
で作成した実行ファイルのダウンローダなど,開発環境一式が付属します.よっ
て,これらのソフトウェアとハードウェアを利用することでMP3リアルタイムデ
コーダ以外にもユーザアプリケーションをDSPにローディングして利用すること
が可能になりました.

● 主な機能仕様
・MOTOROLA社DSP DSP56307 100MHz版を搭載
・X68000拡張I/OスロットとDSPから共通に使える共有メモリを搭載
・バスマスタ転送による高速なデータ転送DMACを搭載
・アナログ2チャンネル出力と光デジタル2チャンネルのステレオ出力が可能

● 作業状況
  2000年7月3日現在,以下のようなステータスです.
  ・ハードウェア的にはローパスフィルタの定数設定を含むアナログ出力まわり
の調整を行っています.
  ・ファームウェア的にはHuman68K上で動作する配布用のソフトウェアを開発し
ています.

● 販売開始時期
  7月末までに試作製品完了がアナウンスが出来るように努力しております.そ
の後2ヶ月以内に製品出荷を考えております.
  
< 拡張I/Oスロット >
● 本製品のご紹介
  X68000のツインタワー型は,背面拡張I/Oスロットが2スロット分用意されて
おります.
  このように当初から拡張性が考えられてはおりますが,拡張メモリとSCSIカー
ドのような組み合わせの場合,追加のボードを搭載することが出来ません.
  
  本拡張I/Oスロットは最大4スロットのボード搭載が可能な製品であり,また
電源容量が小さい本体側電源に負荷をかけないようにするために,拡張I/Oスロッ
トボード上には外部スイッチング電源やATX電源が接続可能なようなコネクタが
搭載されております.
  また従来製品との互換性を保つために,+/-12V出力のDC-DCコンバータを搭載
し,本体側拡張I/Oスロットと電源レベルで保証を行っております.
  
  なお,販売する製品はX68000シリーズ用,X68030用,Compact XVI用,X68030
Compact用の4種類となります.

● 作業状況
  X68030用拡張I/Oスロットの試作版を検証中です.
  あわせてX68000用拡張I/Oスロットの試作ボードも完成済みです.
  
● 販売開始時期
  7月末までに試作製品完了がアナウンスが出来るように努力しております.そ
の後1ヶ月以内に製品出荷を考えております.
  
● 製品価格

△ X68000向けアクセラレータ
        JUPITER-EX              :      予価148,000円(プロセッサ有りモデル)
                                        予価 88,000円(プロセッサ無しモデル)

△ X68030向けアクセラレータ
        VENUS-X/060             :      予価158,000円(プロセッサ有りモデル)
                                        予価 98,000円(プロセッサ無しモデル)

△ X68000向け拡張I/Oスロット
        KEI-EXPAND00    :      売価 49,800円(X68000モデル)

△ X68030向け拡張I/Oスロット
        KEI-EXPAND30    :      売価 49,800円(X68030モデル)

△ DSP搭載MP3再生サウンドカード
        KEI-6DSP1               :      売価 44,800円



 そのほか,以下に挙げるような製品開発を考えております.

・PCIバス形式のグラフィックスカード

・PCIバス形式のFM音源デバイス(YM2151+YMF288)を搭載した特殊用途サウンドカー
ド

・USBキーボード変換ユニット

 また,Jupiter-EX / Venus-Xで市販PCIカードを使用するためのドライバ類も
併せて開発してまいります.

これらの製品化も考えておりますので,ご期待ください.



(EOF)